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クレジット・カード大の電子IDカードには、個人情報がすべて記憶され、罰金の支払い、行政機関での手続きなどに使うことができる。行政(機能)相のバッサニーニ氏によれば、新カードの導入と「ワンストップ・サービス」と連携することで、行政手続きの簡略化、迅速化がはかられる、という。カードはまた、クレジット・カードとしても利用できる他、健康保険証(カード)として機能し、公共料金、手数料の支払いにも使うことができるという。

電子IDカードに関しては、98年末までに細則が決められることになっていた。当時、いくつかのコムーネにおいては既に準備が進められていた。ボローニャ市は98年に第1号の電子IDカードをロマノ・プローディ首相(当時)に発行している。

運転免許証のスマート・カード化については、近く、ヨーロッパ諸国に共通の免許制度が導入されることを前提としており、EU域内であればどこでも通用すると同時に、違反点数などのデータも蓄積される「インテリジェント」なカードとなる。ちなみにこの通称「パット・カード」は、まだ新規取得者に対してのみだが、トリノ、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリなど71の県で99年10月半ばより導入され始めた。年内にはすべての県で交付され始めている。イタリアの導入は、ドイツ、イギリス、スペインについで4番目である。

 

(10) フリー・ダイヤル制(質問、苦情、要請その他)

ワン・ストップと並んで進められている「顧客重視」型の行政サービスの例として、イタリアにおけるフリー・ダイヤル制があげられよう。行政に対する質問、苦情、要請などを受け付ける他、「顧客」の種類に分けられたフリー・ダイヤルによって、相談などにも応じている。これらのサービスにはまた、NPOが活躍する。

「ブルー・テレフォン」は、子供たちのためのSOSダイヤルであるが、要望や質問にも応じる。従来ならば、どこに言えばよいのか判断しかねるような分野の問題であっても、およそ子供に関係のあることであれば、教育はもちろん、家庭、社会、養育、健康、悩みなどいかなる課題でも受け付ける。「ローズ・テレフォン」は同様に、女性を対象とするラインである。

行政機関のフリー・ダイヤルも増加している。行革の進展についての説明を受けたり、質問をしたりすることのできる専用ラインもある。これらは、情報公開という側面と同時に、行政のアカウンタビリティを保障するものでもあり、そして、国民の質問、苦情、要望を受けることでそのニーズや満足度を知り、さらなる改革に結び付けることをも狙ったものである。

 

 

 

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