イタリアではプライバシー保護法は1996年に制定されており、個人情報のうち宗教などを登録することは禁止されている。しかし、財務コード管理に代表される住民登録的な登録に関しては、歴史的な背景から市民によく理解されている。
(6) ローマ市における行政サービス情報化の状況
ローマは、街全体が遺跡とも言える地勢であり、施設の建設、地下鉄その他再開発を検討するにあたって常に大きな困難が付きまとう都市である。情報通信技術を用いた行政サービス提供は、これら大規模な建設の困難を伴わず実施できることから、ローマ市役所は活用に積極的であり、「市民を移動させるのではなく情報を動かす」を行政情報システム化のスローガンとして掲げ、各種施策を展開している。
ローマ市役所と各支所および、財務省、運輸省などの一部省庁はオンラインネットワーク化されている。この情報システムによって提供される市民サービスには、出生届、死亡届、住所変更および住民票等の証明書発行等がある。
これらの証明書には、前述の、イタリア財務省発行の財務コードが明記され、書類の照合に利用されている。ローマ市役所においては、この財務コードを活用して行政サービス向上に寄与する施策を考案しようとしているが、財務省においては財務コードの利用を当面徴税業務に限定したいという意向もあり、必ずしも行政サービス情報化・ワンストップ化に対する意識レベルが足並み揃っているわけではない。
(7) ローマ市におけるワンストップ行政サービスの現状
ローマ市役所において提供されているワンストップサービスには、住所変更をトリガーとする下記のようなものがある。
