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(3) 展開

行政情報化は、ヨーロッパ諸国において、先進的な市町村における実験として始まることが多かった。これが次第に全国に普及してゆくわけだが、その過程においてはまず、個別事業において導入されるのが一般的である。特に、都市計画、建築許可、商工業に関する許認可、指導、助言などの分野が先行してきた。ITの導入は、従来からも新技術を受け入れる土壌のなった分野において進められてきた。

次の段階として、行政情報全般を提供すること、その方法が開発されるようになる。従来のぺーパー・メディアに加え、ケーブル・テレビ、マルチ・メディア、インターネットなど、さまざまな形で市民への情報提供が行われ、また、統計データの管理、提供、関連情報のリンクなども整備されるようになる。情報提供、情報公開は、行政のアカウンタビリティを保障するためのものであると同時に、行政改革の基礎であり、改革を促進する原動力を市民に与えるものである。

情報提供をバージョン・アップし、行政に対するフィードバック機能を持たせるようになるのは、次の段階である。情報を提供し、それに対する反応を収集することで、行政需要のマーケティングが可能になる。先進自治体におけるパブリック・マーケティング、アーバン・マーケティングなどはこの範疇に入るであろう。戦略的なマーケティングを導入した自治体においては、競争力を高めてゆくことが可能になる。クイック・レスポンスによって行政需要へのきめこまやかな対応もできよう。

そして、より直接的な行政サービスの改善としては、窓口業務の改善があげられる。市民と直面する場であるカウンター業務について行われる改革には、ワンストップ・カウンター・サービス、フリー・ダイヤル、メール・サービス(ノンストップ・サービス)などがあげられる。このうち、ワン・カウンター(ワンストップ・サービス)については後に、事例の一つとして取り上げる。

 

(4) イタリア財務省における財務コード

イタリア政府における番号制度として最も整備されているのは、徴税業務の円滑化を中心目的とした「財務コード(Codice-Fiscale)」である。このコードを全国民に付与することによって、特定分野における国民総背番号制が実施されている。財務コードは、国民一人一人の出生時に、市役所に出生届が出された時点で財務省により付番され、市役所にコード番号が連絡される。

 

 

 

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