行政の情報化はまた、行政サービスの利用者である国民にとっても重要な意味を持つ。
各国で現在、行政の諸手続きの情報化が進められているが、税金についてのそれは顕著である。税金申告のオンライン化の利用率について、イタリアはヨーロッパ第1位であるといわれるが、手続き上の簡便さのみならず、徴税効率の向上などの効果がある。
ヴィンチェンツォ・ヴィスコ財務大臣によって進められている大胆な財政改革の一環として、電子的に税金の申告を行うことが可能になった。財務省の地方事務所などに設置されたコンピュータ端末を使って、またはインターネットで財務省のホーム・ぺージにアクセスし必要事項を書き込むことで申告できる。現在、インターネットによるアクセスは、あらかじめ許可を受けた会計士などに限定されているが、今後はいかなる個人でもできるようになるという。
このオンライン申告の利用者は99年11月半ばまでに、個人、法人あわせて7万弱となり、150万回の通信によって1900万件の申告がオンラインで行われた。これは総申告件数の68.1%にあたり、ヨーロッパでは最も高い利用率となっている。ちなみに、オランダにおけるオンライン申告は42万件、6.7%の利用率である。ドイツは29万件あまりで1%、スペインは10万件で0.6%、そしてイギリスは5万件で0.2%となっている。
2000年6月からは、不動産売買、登記などの諸手続きもオン・ラインで行うことが可能になる。行政手続きの電子化が急ピッチで進んでいるイタリアだが、不動産売買、登記などの諸手続きをネット上で行うことが可能になるという。
納税申告については、電子化が始まっているばかりでなく利用者も急増しているが、許認可申請や登記手続きなどの電子化が本格的に実現すれば、イタリアの電子政府化に大きな弾みが付くことになる。
99年12月半ば、当時まだ官房長官で現在は再び行政機能相に返り咲いているフランコ・バッサニーニ氏は、2000年6月から、不動産の売買、登記などの諸手続きがネット上でも可能になると発表した。実際、内閣は、不動産の登記、権利移転、関連諸手続きについてこれらをぺーパーレス、電子的に行うことを認める委任立法を閣議決定した。政府は登記簿事務所に対して通達を出し、「電子データ用統一書式」および「不動産統一コード」の採用の徹底を呼びかけている。これにより、これまではきわめて面倒だった、他の都市の不動産の売買も簡単になり、不動産に関わるすべての事務処理を電子的に行うことができるようになる。