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(2) 情報化

行政の効率化のために民間経営手法を導入し始めたヨーロッパ諸国の中央政府、特に地方自治体が積極的に開発、利用を進めているのがITである。

ITの活用の重要性は、いずれの国の事例からも明らかにされる。後に述べる固定資産税に関する業務についてのみ限っても、合理的で統一的な評価の実施、データ・べースの管理、関連機関との情報の共有や交換、登記から納税に至るまでの全過程のオンライン化は、行政、納税者の両者にとっての利便性の向上のみならず、業務の効率化、合理化、正確さの向上、そして徴税率をあげ税収に貢献する。

ITの活用はまた、作業効率をあげて職員数の減少を可能にするばかりでなく、組織形態の再編成を可能にする。アムステルダム市の税制局が機能別組織からクライエント志向の組織編成に変わることができた背景には、ITの導入、活用があったといえよう。

行政改革においてもまた情報化は大きな意味を持つ。行政にテレ・ワークを導入したのはイタリアである。日本でもSOHOなどが注目されるようになってきているが、イタリアでは行政でテレ・ワークが導入されることになった。

99年2月25日、閣議決定された規則により、テレ・ワークがより適切であると認められる場合、公務員が家のコンピュータ端末で仕事をすることも可能になった。当面は、障害者、遠方からの通勤者、そして家族の介護や世話などをしなければならない女性職員などが優先される。

今後、個々の行政機関は、組合と協議し、テレ・ワークを導入すべき部門、職種、あるいは特定のプロジェクト、導入の目的、技術的な方法、条件、対象となる職員数などを特定することになる。今回の改革については、行政運営の立場からのみならず、働く人にとって大きなプラスになるとして組合もきわめて積極的であるため、すぐに実現するのではないかと考えられている。

コンピュータ、ソフトウェア、モデム、プリンタなどテレ・ワークに必要な設備は、行政機関の指導のもとで設置され、セキュリティなどについては一定の条件を満たさなければならない。もちろん、必要経費は行政機関が持つことになるが、その監査は重要な問題となろう。経費の増加は認められない。

この改革のもとを築いた元行政機能(改革)大臣で当時内閣官房長官だったフランコ・バッサニーニ氏(現行政機能大臣、99年12月の内閣改造による)は、「テレ・ワークは、財源、人材の節約に大きく貢献する」と主張している。

 

 

 

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