この構想は、予算削減・規模縮小の流れと、サービス品質の維持の両立のための方策を検討していた各諸機関のニーズに合致し、多くの行政機関がWINGSへの参加を表明することになった。これにより、複数の行政機関にまたがる処理などを一箇所で提供できるワンストップサービス、24時間365日サービス提供するノンストップサービスの実現が可能になるなどの付加価値が生じ、サービス高度化と経費削減をともに実現できるモデルとして注目されている。
94年5月からシステム開発に着手しており、ノースカロライナ州等の行政情報をインターネット上で試験的に提供しはじめた。
情報キオスク端末を利用した実験も97年10月から半年の予定で実施された。情報キオスク端末はインターネット接続環境を持たない人を含むすべての国民との接点として重視されており、人の集まる場所として、公共施設(郵便局、図書館、空港など)のほか、民間のショッピングモールやドラッグストアなど200ヵ所以上への設置が予定されている。情報キオスク端末にはプリンタやスキャナが装備されており、プリンタから申請用紙を出力してスキャナで読み込ませて送信することも可能である。
これらパイロットプログラムの実験結果を踏まえて、最終的に全国展開を図る予定である。移民管理局のように、既に別の情報キオスク端末でサービス実施している機関との回線接続なども具体的に検討されている。
最近では、インターネットの爆発的な普及によりWWWを利用して住所変更、健康保険や社会保障給付等の各種申請、運転免許の更新などを自宅やオフィスから直接アクセスするための機能についても具体的な検討が始められてきた。
(住所変更サービスについて)
アメリカには戸籍制度および、地域への住民登録的な仕組みが存在せず、国民のデータ管理やID保証は、社会保障番号(SSN: Social Security Number)によって実質的に行われているため、住所は国が管理すべきデータとして定義されてはいない。
選挙や車両登録など、地域ごとに本人登録が必要な個別の行政サービスについては、各省庁や州、市などが個別に個人の住所データを管理しており、個人はそれらサービスにそれぞれ住所を申請・登録しなければならない。
これらの手続きを軽減する目的で、サービスを提供している諸機関住所の「変更」についての情報提供・更新サービスが複数存在している。