また、オペレータを経由した電話利用者やインターネット利用者からの意見・要望のフィードバックを、現実のサービス改善に結びつける管理運営機能、省庁間を超えた最適なサービス形態・技術を検討する業務・システムの企画/設計機能も電子政府成功への鍵であると認識されている。
3-1-4 住所変更ワンストップサーピスに関する諸外国の取り組み
日本と違い戸籍制度がない国が多いためか、住所データを行政的に使用するにあたって、かなり扱いの違いが見られる。したがって、住所変更サービスを実施しているいくつかの国に関してもそのサービス性質が日本とはかなり異なる。
日本では行政サービスを受ける上での基礎データとしての住民票登録・変更などの手続きが求められるが、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどの諸外国では、税金の支払い、投票その他を司る諸機関において、必要に応じて個別に住所データの取得・管理がなされている場合が多い。したがって、このような国における住所変更に関するサービスは、諸機関に対する住所の一括変更の代行サービスといったものが目に付く。この場合の住所変更データ(全住民の住所のマスターデータではない)はその国の郵政省が管理している場合が多い。また、そのサービスもインターネット化の推進によって民間などの第三者機関に委託され、事業化されて市民や企業が有料で利用しているビジネスモデルが多くみられる。
日本で議論になる住民台帳電子化や住所変更そのものに関して特筆すべきサービスを行っている例としては、イタリアのローマ市役所があげられる。この例においては、前述した国民総背番号制や住所、家族、親族等のデータが把握・管理されることへの抵抗感が宗教上の理由で極小に近いという背景があり、住所変更というイベントをトリガーにした各種行政サービスのワンストップ化が促進される土壌にある。情報技術基盤の発展に伴い、より集約・洗練された形でのサービス展開が市役所と各省庁との間で計画されている。
3-2 主要諸国の動向
ここでは、行政サービスのワンストップ化および電子化についての諸外国の具体的な施策を取り上げる。取り上げた国は、北米(アメリカ、カナダ)、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)、ヨーロッパ(イギリス、イタリア、スペイン、フィンランド、オランダ)の3地域9カ国及びシンガポールである。