その場合、様式や表記方法の変更については、関連アプリケーションプログラムのロジックを変更することで対処可能であるが、問題はデータベースのコンバートであろう。新規に作成する分については、決められた記載規約に則って入力すればよいが、既存データについてはその量が膨大である上に、使用する用語や記載表現がきわめて多様であり、そのため、データのコンバート方法を決めることがきわめて難しいものとなることが予想される。
こうした問題を踏まえると、住所データを構成する各データ項目の記載規約については、あまり厳格なものとせず、ある程度の幅を持たせることが現実的であると思われる。
前述の課題のうち、最大の課題は(3)漢字コードであろう。一般に、コンピュータにより「文字」を処理する場合、その「文字」を管理するモデルは、以下の要素から構成されていると言える。
1] 文字
共通した意味または形状を持つとされる図形の集合を表す抽象的概念。例えば、「辺」と「邊」は字形がことなるものの、文字概念としては同じものと理解される。
2] 文字セット
文字の集合を意味し、例えばJISが定める文字セット「JIS-X-0201」、「JIS-X-0208」、「JIS-X-0212」があげられる。
3] 文字コード
文字を符号化する方式を意味し、例えばある文字について文字コードAでは「0011011」に符号化するのに対して文字コードBでは「0101010」する等、文字コードによって符号化が異なる。こうした文字コードの例として「JISコード」、「Uni Code」があげられる。
4] フォント
文字の図形的特徴(字形)を表現したものであり、コンピュータの処理では文字コードで表現される文字を出力デバイス(ディスプレイ、プリンタ等)上に表示(またはプリント)する場合、このフォントと呼ばれる図形情報を元に描画処理を行う。なお、実装されるフォントはコンピュータによって異なる場合がある。