対象となる住民票写しは、現在の住民票に限定し、改製原住民票、除票、記載事項証明は除いている。また、請求できる者は、本人及び本人と同一世帯の者に限定している。交付を行うのは、構成22市町村の窓口と浜松市地域情報センター、浜松市内15の市民サービスセンター及び天竜市民サービスセンターの計39箇所である。受付時間は、双方の市町村が開庁している日の午前8時30分から午後4時30分までとなっている。
今後の課題としては、住民票だけを対象にしている現在の広域交付では利用が少ないという問題がある。住民票の写しは、それだけを単独で必要とする場合は少なく、印鑑登録証明書、戸籍の騰抄本もしくは納税証明書と併せて請求される場合が多い。これは、自動交付機の利用率を見ても明らかである。
印鑑登録証明書については、申請時の本人確認の方法が課題となっている。また、戸籍の騰抄本については、広域交付の例はなく、現在採用している認証の方式も法務省が認めていないことから今後の検討が必要である。
住民の社会経済活動が行政区を越え広域化している現在、圏域の市町村が連携して施策を推進していく必要性はますます高まってくる。今後の発展が注目される事例である。
(4) 福井県丹南広域の自動交付システム
福井県丹南広域組合は、武生市、鯖江市及び7町2村の11団体の構成で平成2年に設立された一部事務組合である。現在の圏域人口はおよそ20万人となっている。電算共同利用による行政事務の合理化、迅速化については、平成4年から検討に着手し、平成9年5月に自動交付機による行政区域を越えた「広域交付」を目玉にサービスを開始した。
各団体がそれまで区々の様式で運用していた印鑑登録証を、磁気カードの「請求者識別カード」に統一した。このカードに暗証番号を登録した者は、圏域14箇所に設置された自動交付機から住民票の写し、外国人登録済証明書、印鑑登録証明書、納税証明書、所得証明書の交付を受けることができる。
自動交付機の設置台数は、武生市が本庁の2台と市立図書館の計3台、鯖江市はJR駅構内の設置を加え2台、その他の町村は役場に設置した1台のみとなっている。
システムの保守及び住民票、印鑑登録簿等の磁気ファイル原本の管理は組合が行うが、自動交付機の管理は設置団体が行うこととしているため、当初は運用時間帯の調整が問題になった。本来、いつでもとまではいかずとも平日5時以降の時間外及び休日のサービスが求められているところであるが、「土、日までのサービスはいらない」、「午後5時で終了したい」という団体もあったようである。