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そのためには、各市町村の住民記録システムを相互に接続してネットワークを構成する方法、既存のシステムとは別個に専用のネットワークシステムを構成する方法が考えられる。しかし、住民基本台帳をコンピュータ処理していない団体も存在すること、コンピュータ処理を行っていても市町村によって使用機種が異なるといった実態から、異機種間接続の問題、とりわけ標準化されていない漢字(外字)を交換する方法が課題とされた。また、事務処理の標準化の困難性等も指摘された。それらを踏まえ、住民基本台帳ネットワークシステムの構想が生まれたのであるが、それまでの検討からも、万全なセキュリティ対策をいかにして実現するか、想定される利用率とその場合の費用対効果はどうか、利用を拡大するための方策はあるか、技術的な問題としての外字の統一的な処理をどのように実現するか等、検討すべき課題が残されている。これについては、システム構築の問題として項を改め記述する。

(b) 総合窓口

窓口事務に関する住民の不満は、「必要な手続きの内容が分かりにくい」、「近くに行政窓口がない」、「一口に異動届といっても複数の窓口に行かねばならない」、「受付時間帯が限られている」といったところにある。コンピュータ等が有効に活用されていない場合には、さらに、「待ち時間が長い」といった不満もある。

住所の異動ひとつを取っても、住民が行う必要がある手続きは数多い。市町村への転出入届及びそれに伴う税関係、国保、年金等の異動については市役所、出張所等で行うが、その他にも電気、ガス、水道の住所変更届、運転免許証、自動車登録などの住所変更、金融機関、生保・損保会社、電話会社、NHK、会員登録等をしている種々の機関等についても住所変更の手続きを行う必要がある。

各所に同様の届をするため、それぞれの窓口で待ち時間が発生し、手続きの完了までに長時間を要することになる。また、関連する異動処理が全ての業務で完遂される保証はなく、一部の台帳で変更処理がもれることもしばしばであった。そのため、住民が各窓口を回らずに済むよう、異動に直接関係する台帳である住民票、印鑑登録、国保、年金、戸籍、戸籍の附表、税関係台帳、福祉関係台帳を一箇所に集める等の工夫を行った市役所もある。これは、その後コンピュータのデータベースとして台帳の集約が図られるきっかけともなった。

総合窓口とは、住民から見れば、窓口を回ることなく一箇所ですべての関連した処理を行える、どこの窓口で手続きすればよいかがすぐに分かる、何度も来庁することなく一度の届出で済む、ということである。

 

 

 

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