特定の業務にとらわれない柔軟で汎用的な情報通信ネットワークを共通仕様で構築することで、各省庁が業務別に構築する情報通信ネットワークとの接続において地方公共団体側の重複投資を抑制することも総合行政ネットワークの目的である。そのため、地方公共団体間を相互に接続するための共通仕様の確立が求められていたところである。全国統一の仕様に基づくネットワークを構築することにより広域的な情報の交換・提供の基盤が形成され、公共施設利用、医療サービス等において住民生活に必要な情報の広域共同利用が可能になる。
システムの整備に当たっては、交換する文書情報の安全性確保、個人情報の保護が重要な課題である。情報通信手段が多様化、高度化する一方で情報システムヘの脅威もまた複雑・高度化している。暗号化技術、認証技術など最新技術について、その有効性を検証しつつ適切に組み込むことが求められている。
(2) ワンストップサービスに係る施策
(a) 窓ロサービスシステムに関する施策
住民の日常生活圏の拡大や生活様式の変容、民間による各種サービスの提供形態の多様化の状況、市町村における週休2日制の実施等に伴い、市町村の各種窓口行政サービスの提供について、居住地のみでなく通勤・通学先等の市町村においても、あるいは執務時間外や閉庁日においても受けられるよう求める住民の声は強い。また、高齢化が進展する中で、これまでもその煩雑さが指摘されていた窓口における申請の手続きについて、その簡素化により住民の負担の軽減を図ることが求められている。
平成6年に自治省が「新たな窓口サービスシステム等に関する研究会」報告として、窓ロサービスの広域化、自動化、簡素化について検討してきた結果をまとめた。窓口事務の改善についてその方向と具体的な実施方法を示しているが、すでに少数の市町村がその必要により実施してきたいくつかの処理形態を認めたものであって、全国的な統一、標準化を意図したものではない。
窓口行政サービスの広域化とは、これまで各市町村単位に行ってきた窓口事務を広域行政圏に拡大し、圏域のどの市町村窓口でも住所地の市町村と同等のサービスを受けられるというものである。圏域住民の職住分離の進行は、全国的な傾向であるが、地形、歴史、政治・経済・文化の面、あるいは住民の日常生活の面に注目すれば、各市町村の行政区域を越えた一体性の高い圏域が形成されている。