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3-2 提案

 

(1) 姉子の浜周辺部の整備

1. 白砂青松の復元(ミチゲーション)(1-2(4)参照)

現在の姉子の浜は、塩田開発、道路建設等のために造成した壁面から、雨が降ると土が流れる。これは鳴き砂にとって悪影響があるのはもちろんのこと、美しく貴重な自然の象徴ある鳴き砂の浜にふさわしい景観とは言えない。鳴き砂の浜があるべき姿とはどのようなものであるか、考える必要がある。住民側からも、土砂が浜に流れる姿を問題視する指摘があり、浜を町が買い上げ、松林と砂浜を復元し保全してはどうかという提案が挙げられている。

このように、姉子の浜をかつてのように植樹された松林が広がっていた状態に復元すること(ミチゲーション)は、生態系や美しい景観を回復させることであり、鳴き砂の浜にとって意味のあることである。

2. ホテル跡地における拠点施設整備(2-2-(4),3-2-(2)参照)

姉子の浜を環境学習の場、適切な自然とのつきあいかたにのっとったレクリエーションの場、町内外の人々の交流の場として位置づけるための拠点施設を現在のホテル跡地に整備してはどうだろうか。ただし、そこから浜におりた場所が最も砂の鳴く地点であり、動線計画には充分な配慮が必要となる。以下のような機能を備えた施設を一案として示す。

▽拠点施設の機能

●鳴き砂の資料館:学術調査や環境学習を蓄積

●保存会、ボランティア活動の拠点

●環境学習の拠点

●町外へのPR:展示・インターネット上のホーム・ページによる

●レクリエーションの拠点:情報提供

●飲食・地場産品販売

●休憩・展望施設:現在のパーキングの機能を移す

▽交通計画

拠点施設へはなるべく電車できてもらうよう、送迎バスを出すなどのサービスを行う。

 

 

 

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