(4) 鳴き砂を題材とした環境学習
平成10年に二丈町で開催された「全国鳴き砂サミット」で発表するために、福吉小学校の4年生2クラス(45名)が鳴き砂について自然学習を行った。その経緯と学習内容、学習後の鳴き砂・自然にたいする意識の変化について、当時のクラスの担当教諭のひとりにうかがった。
学習の契機:平成10年10月に「全国鳴き砂サミット」が二丈町であるので、そこで小学生の研究発表をしないかと校長先生から提案された。5・6年生は行事がつまっており、鳴き砂を対象とするなら4年生が適当であると判断した。児童の意向をきくと、「やりたい」ということだったので、総合学習(平成14年から実施)の一環として取り組むことにした。
子供の動機づけとしては、サミットでみんなの前で発表し、テレビで放映されるという事が大きく作用していると思われる。
学習課程:まず、9月に姉子の浜を訪れ、鳴き砂の音を体験し、砂を採取し砂絵を描いた。(表紙・章扉の絵はこの時の砂絵を加工したもの)
児童のうち、半数は姉子浜の砂が鳴くことを知っていたが、実際に砂が鳴くのを聞いたことがあったのはその半数である。鹿家に住む児童は、普段の区の清掃作業を大人といっしょに行っており、鳴き砂の存在を知っていた。
次に「ゲスト・ティーチャー」として、守る会会員でもある町役場の勧業課の職員が、鳴き砂に関する話をした。(この職員は平成9年に6年生に対しても同様に鳴き砂の話をしている。)
職員の話のあと、子供達が自分達で4つの研究課題を決めた。1課題につき2グループがそれぞれ取り組んだ。作業内容は子供達の自主性にまかせ、先生は色紙を配布し、意見を書く場所を支持するくらいにとどめた。
学習期間は、2ヶ月間・延べ約24時間で、その間、姉子浜には貸し切りバス・電車で3回訪れ、清掃をしたこともある。