(c) 「Clause 3.3.1、5.1及び5.5はSOLASに規定されるべきであり、ISOの規格に重複して規定すべきでない。」と我が国から提案したが、「SOLASの規定には備え付けるべき図の数及び備え付けるべき場所が示されていないのでISO規格で補足する必要がある。」旨、議長から発言があり、同見解が支持された。さらに我が国から、「備え付けるべき数及び場所」はISO/CD 17631のscopeに含まれていないことを指摘したところ、検討の後、Clause 1を(a)(イ)に記したように修正することとなった。
(d) 「Clause 3.1.7及び3.1.7.1により要求されている情報は消火活動には有用でないので、同条項は削除すべき。」と我が国から提案したが、「既存のIMO基準の内容を取り入れるものであり、設備の検査を行う上で有用である。」旨の発言が一部メンバーからあり、同意見が支持された。
(e) 「SOLASの規定上、脱出経路にprimaryとsecondaryの区別はない、また、実際問題として浸水事故の場合と火災事故の場合とで必ずしも同じ経路が主な脱出経路とはならないので、Clause 2.8及び3.4、附属書Aの2.2からそれらの言葉を削除し、2.3を削除すべき。」と我が国から提案したが、「水密戸を使用しない脱出経路、より幅の大きい脱出経路がprimary means of escapeである。」旨の見解が議長から示され、同見解が支持され、我が国提案は採用されなかった。
(f) B級隔壁の記号の色を現時点での原案どおり青色とすべきか、あるいは既に多くの図に使用されている黄色とすべきかについて、前回会議に続いて検討の結果、青色は黒色混同とし易いという理由から、黄色に変えることとなった。
(g) 非常電話の記号は緑色ではなく赤色とすべきとのISO中央事務局のコメントを検討の結果、非常電話は防火だけでなく安全のための連絡に使用されることを考慮し、原案どおり緑色とすることとなった。
6.5.2 ISO/AWI 17338 Symbols for structural fire protection
本件については、前回会議において指名されたグループがWDの作成をさらに進めることとなっていたが、「いまだ作成中であり、作成後メンバーに送付し、意見を求める」旨、Mr. Abbateから発言があり、関連資料(
添付資料12〜
14参照
)が配付された。
6.6 その他の事項
ISO/DIS 15370 Low location lighting on passenger shipsのANNEX Eの内容についてさらに検討が必要である旨の見解を関連資料(
添付資料15〜
18参照
)により、Mr. Gunnar Krokeido及びDr. Jonny Nersveenが表明したが、現段階で原案の内容に技術的な変更を加えることはISO Directivesにより認められないことが確認された。
6.7 次回会議予定
次回WG3会議は2000年の4〜5月に米国のボルチモアにおいて開催予定のSC 1本会議と同時に開催することが合意された。
6.8 決議の承認
決議起草委員会メンバーの指名に関する合意、ISO/CD 17631の中央事務局への提出に関する合意及び次回会議予定に関する合意に基づいて、決議案が起草され、承認された。
7. 閉会
WG3の議長のMr. Claudio Abbateにより閉会が宣言された。
8. 所感
ISO/CD 17631には各国から多数のコメントが寄せられ、2回に渡るWG3会議における検討の結果、相当の修正が加えられた。我が国も2回目の会議を前にして多くのコメントを提出し、良質な規格作成に貢献したが、NWI提案の段階から提案の内容に十分な検討を加え、タイムリーにコメントを提供すべきであった。
脱出経路のprimaryとsecondaryの区分については、旅客や乗組員に誤った情報を与え、危険を増大させる恐れがあるのではないかと懸念される。改めて十分に検討し、要すればDISの投票に際して再度コメントすべきである。
以上