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言行不一致の場合、単にそれを指摘するのではなくて、相手の意図や話の伝わり方を知る手がかりとして、自分の判断材料に使うことが大切です。

首を縦に振る。これは承認の印ですが、世界で一番首を縦に振るのが日本人ではないかと思うことがあります。たとえばサミットなどでずらりと各国首脳が並んでいるときに、首を振る回数を勘定してみれば、非常にはっきりします。このように首を縦に振っているときには、同意をしているととられやすいのです。ところが、日本人の場合には、同意とは限らないで、「あなたの言っていることを聞いています」という意味でうなずいているようです。

ここで話していますと、首を縦に振っておられる方がたくさんおられるので私は安心しています。話を聞いていますよ、わかっていますよというサインと受け取りますから。ただ、これが異文化間のコミュニケーションとなると、あまり首を振ってしまうと誤解のもとになって、日本は賛成していたのに、ちっとも実行しないではないかということにもつながっていく可能性があります。ですから表情やジェスチュアを読むときも、文化によって違いがあるということを念頭に入れておかないと、違った取り方をしてしまうこともあるわけです。

同じようなジェスチュアでも国によって違う意味合いがあります。たとえばインドでは、わかりましたというときには、首を横に振るのだそうです。わからないのかと思うから詳しく説明すると、とっくにわかっている。

 

 

 

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