“首を振る”の意味するところ
お隣の方に「よかったわね」と言ってみて下さい。今日お隣に座って下さったことでよかったわね、お知り合いになれてと。これを首を横に振りながらおっしゃってみて下さい。「よかったわね」(笑い)。これも、していることと言っていることとが違うときには、やはりへんな印象を受けますよね。
「あそこの家の何とかちゃんね、東大に受かったんだって」「(首を横に振りながら)あら、よかったわねえ」(笑い)。よかったと自分でも思ってはいるのですが、「やっぱり、信じられない」(笑い)とか、「本当のはずがない」とか、自分でも気がついていない部分が行動に出ている可能性があり、しかもそのほうが相手には具体的に伝わってしまうということがあるわけです。
ところが、話をしながら相手のことを見ていて、その方が言っていることと、やっていることの間に不一致があった場合、「口ではいいとは言っていても、本当はいいとは思っていないでしょう」と言ってもムダです。というのは、やってる本人は自分ではその行動に気がついていませんから。もし、言行の不一致に気がついたら、その方がどのようにわかっているか確認する必要があります。そうしないと、言ったとか言わないとか、あのときわかっていると言ったはずでしょうといっても、時間まではきちんと聞いていなかったとかということになりやすい。