子供が母親に手を引かれて人ごみの中を歩いているときの気持ちがよくわかりました。母親に「ぐずぐずしないで!」と手を引っぱられてもなかなかついて行けないのは、足が短いからだけではなくて、目に入るのは、対向車線の人が持っている荷物だけなのです。親がわからないところでの子供自身の反応があるのだなあと思いました。
目線の高低からいいますと、たとえば3歳の子供を家庭サービスで動物園に連れて行って、散々くたびれて帰ってきた父親が、「今日、動物園で何がおもしろかった?」と尋ねたら、「みかんの皮」と言ったという話があります(笑い)。親の目線から見ますとキリンとかゾウ、パンダとかいうのを期待しますが、子供にとっては一番近いところで関心を引いたのが地面に落ちているみかんの皮だった(笑い)ということなんです。ですから、それぞれの人の目の高さ、目線がどこにあるかということで、見える世界が違ってくるということを知っておいていただきたいと思います。