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国際保健協力フィールドワークフェローシップに参加して

 

水主川 純(浜松医科大学5年)

今回、国際保健協力フィールドワークフェローシップに参加して、経験から多くのことを学ぶことができました。この様な機会を与えて下さったことを心より感謝しております。

私が、国際保健協力に興味を持ったのは、父がアジア、アフリカの途上国で仕事をしていたためです。幼い頃からなんとなく思い続けて医学部を希望しました。大学に入学してあっという間に5年が過ぎてしまいました。その間、タイに行ったり、JICAの招聘事業で来日された方々と交流するなどして、自分は何が出来るのだろうかとただ漠然と考えておりました。マイペースな私は、国際保健協力の全国の学生サークルがあるということを知っていながらも、単独行動を繰り返してまいりました。

今回のプログラムは、第一線で御活躍されている先生方の講演を多く聞け、フィリピンでは様々なレベルでの国際協力の現状を見ることが出来るという点で、非常に良いと感じました。それに加え、様々な学生と行動を共にすることにより、同じものを見ても、かなり違った感想や意見に触れる事で、多々の刺激を受けることができるということがよかったと思っております。今までは、自分自身が感じたことをただ自分自身の中で処理していくだけでしたが、このわずかな研修期間で随分違った物の感じ方をするようになったように思っております。

フィリピンの暑く、強い日差しの下で楽しそうに生活をしている人々、フィリピンの保健医療向上のために一生懸命働いている日本人の方々の姿が、次から次へと強烈に私の中に飛び込んできました。特に、ストリートチルドレンがいきなり飛びついてきてくれた時、バーで海藻のように揺れて踊っている売春婦の姿は印象的でした。自分自身、女性であり、いつかは母親になる時もくるでしょう。しかし、同じ女性として、この状況をどのように受け止めればよいのか分からず、ただ戸惑うだけでした。残念ながら帰国した今でも、その答えはまだ出ておりません。フィリピンで感じ取ったことはこの先もずっと残り、きっと様々なことを教え続けてくれることと信じております。

学校で国際保健協力に興味があるなどというと、すごく特別なことと思われていまいがちです。しかし、先進国、途上国に関わらず、健康でありたいという気持ちは誰しもが抱くものであると思っております。だからこそ世界中の少しでも多くの人々が、健康に暮らしていくための状況をサポートできるような国際保健協力が出来ればよいと思っております。決して自己満足には終わらないように…。今回のこの貴重な体験を活かし、そのような活動に何らかの形で携わっていきたいと決心いたしました。

 

 

 

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