日本財団 図書館


罹患率1位は急性呼吸器感染症、2位は皮膚科的主訴、3位は筋骨格系主訴であった。小児に限ればかなりの数の尿路感染症や急性呼吸器感染症が多く、その結果死亡するものも多いらしい。

なお、ここPoracは1991年のピナツボ火山噴火では最大の被害を被った地域で、今でも面積にして半分近くは埋もれたままである。移動の際にバスで通過した噴火跡地は火山灰に覆われた広大な荒れ地で、未だ人が生活できる環境ではない。それでも草が生い茂っており、生命のたくましさを思う時を持つことになった。

 

Presbyterian Churchにて

信者による強い連携で支え合っていくことをスローガンとしています、と語って下さった牧師は新婚の方。フィリピンのキリスト教徒のほとんどはカトリックであるが、この教会の信者の皆さんはプロテスタントである。中でもPresbyterianとは長老会派と日本語では訳されている宗派である("presbyter"とは「長老elder」という意味)この教会は礼拝などで使用していない時間には信者や住民のホールとして使われている。私たちが訪れた翌日にもFree Clinicの会場として提供される予定があると伺った。あくまでも教会であるために場所を提供する事にとどまるのですが、と何度も控えめにおっしゃる牧師をはじめ信者の皆さんとしばらくお話しする時間を持った。

一人ずつが組になって信者にお話を伺う対話方式だったので皆思い思いに交流することができ、楽しい時間を過ごした。ここでその発表をまとめる司会者を務められたのがDra.Emmaであり、この先生がBotika Binhiのプログラムをはじめた方である。

私と話し合ったLindaさんは未亡人で、子供を女手一つで育てた方だと伺って私は尊敬の念を禁じ得なかった。「私は主に支えられているからここまできたのです。」と、はっきり語る彼女には国籍などを超えて信仰を持つ人の強さを見た思いがする。彼女の最も大切にしている聖句を教えてもらったのでここに日本語で再録する。

「あなた方の会った試練で世の常でないものはない。神は真実である。あなた方を耐えられないような試練に会わせることはないばかりか、試練と同時に、それに耐えられるように、逃れる道も備えて下さるのである。」(新約聖書 コリント人への第一の手紙10:13)

 

035-1.gif

Presbyterian Churchにて(中央がBotika BinhiをはじめたDr.Emma)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION