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Botika Binhi

この村にも、教会の近くにBotika Binhi(薬の生活協同組合)があった。前日に訪れたBotika Binhiと同様、10平方メートルほどの狭い小屋に、非ステロイド系消炎鎮痛剤・抗生剤・Ca拮抗薬・β2刺激薬・各種ビタミン剤などの一般的な薬物が所狭しと並んでいた。このようなBotika Binhiがフィリピン全土700ヶ所にひろがっているという。住民の間に「より安価な薬を」と言う思いが強かったことがうかがえる。この村でもBotika Binhiの経営を支える主婦のお母さん方は、陽気で明るく、自分たちが村人の健康を支えていることに対する誇りが感じられた。

 

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この村のBotika Binhi(薬の生協)

 

REACH OUT Center訪問

これは国連によって'95年に設立された"reproductive health"を推進するための施設であり、対象はフリーランスのcommercial sex workerである。私たちの訪れたAngelesの他、フィリピン内にManilla、Malate等3ヶ所存在している。

ここAngelesはもともとクラーク米空軍基地が存在した基地前町であり、ピナツボ火山噴火に伴う基地撤退の後は風俗産業が盛んとなった側面ももっている。"reproductive health”は、身体的・精神的・社会的に健康でないと「再生産」が不可能という観点から、性成熟期の成年の健康・母子保健・周産期医学・思春期の健康などを包括する概念である。

なおこの場合、性産業に従事する成年男女の健康対策と言い換えても良いかもしれない。REACH OUT Centerが具体的に行っている事業は安価なSTDスクリーニングが主で、30ペソ(日本円で60円程度)でHIV・梅毒・HBVの検査が出来る。また、HIV/AIDSの予防と避妊のため、実際に街に出てコンドームの配布も行っている。さらに電話相談も実施していて、1日に6〜7件程度、教育や疾病予防に関する電話相談を請け負っている。

 

 

 

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