フィリピンでの避妊は主にホルモン注射によるもので、吐き気等の副作用があるが、ピルでは毎日服用する必要があり、ホルモン注射が好まれるとか。なお、7〜8割の人が家庭で出産するという。
この他、トイレで紙を使わず指を使って水で洗い、手でそのまま食事をしたりするため衛生上、問題が多いという点もあげられた。
Baras-Baras,Barangayにて
〜Botika Binhi(薬の生活協同組合)、Income Generating Projectを見学
フィリピンの行政単位はProvince(州)、Municipal=City(市)、Barangay(村)からなる。この日の午後、私たちが訪れたBaras-Baras Barangayは人口2,297人、511家族で構成されていた。まず私たちは、村の公民館と薬が常備されているヘルスポスト、Botika Binhiを訪ねた。
Botika Binhi(ブティカ・ビンヒ)とは薬の生活協同組合のことである。多国籍企業の製薬会社が販売する薬は、フィリピンの庶民にとって高価なものである。そこで始まったのがこのプログラムで、村の各家から会費を取って資金を集め、市価の半額で安い国産の薬を中心に仕入れ、村のヘルスポストに薬を蓄えておく。そして、ヘルスポストに来る患者さんに安値で配布する。フィリピンは本来、薬剤師しか調剤ができないのだが、薬剤師が不足しているため、薬剤師以外の人々により薬が処方されているのが現状であり、薬局の経営、処方の読み方についての教育も各ヘルスポストで行う。私たちが訪れたBotika Binhiは小さな小屋のような建物で、置いてある薬も、ビタミン剤(A,B,C)、鉄剤、ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーやオイル、クロラムフェニコール、鎮痛剤などであった。処方量がフィリピン人より体格の大きなアメリカ並の量であるため、フィリピン人には薬効が強すぎるという問題があるという。薬の種類は少なくても万一のときにすぐに手に入るという安心は村の人々にとって大きな支えであるようだ。