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3月11日(木)

 

○本日のスケジュール・内容

タルラック州へ移動、現地のJICAプロジェクトを見学

 

Provincial Health Officeを訪問

マニラからバスで2時間半、北部のTarlacタルラック州にきた私たちは、まずProvincial Health Officeを訪問した。ここでDr.Ramosと、AMDA(アジア医師連絡協議会Asian Medical Doctors Association)のメンバーからJICA専門職員となったDr.Iwanaga(岩永医師)による現行プロジェクト、JICAによる母子保健計画の説明があった。

タルラックは中部ルソンの6州のひとつで、その広大な地域を岩永先生、助産婦の小村さん、看護婦の佐藤さんの3人で担当している。よりよい家族計画や母子保健活動の推進のため、助産婦の教育などのほか、日本の母子手帳にあたるものをタガログ語で作り(とても良くできていて、体温のはかり方など親しみやすい絵が入っている)、周産期の母子の健康状態を記録させる教育を行ったり、Yellow cardとPink cardというものをつくり、5才以下の新生児・乳幼児健診を行ったりしている。

フィリピンにおける日本の保健支援活動の問題点については、昭和30年代には"バターン死の行進"をはじめとする太平洋戦争の最中の日本人に対する行為に対する敵対心が有ったが、現在はむしろ少ないという。英語の浸透率が高く、どんな小さな村でも英語が通じるため日本人として保健活動はしやすい国であるそうだ。

 

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タルラック州母子保健プロジェクトの事務所

 

フィリピンの保健事情として、まず食事に関しては、油が多く、肉・魚を沢山食べ、野菜が少ない内容であるため栄養上の問題も多いらしい。都会では最近インスタント食品や、ファーストフードが増えてきている(給料日に映画を見、ファーストフードを食べる生活スタイルが高級なスタイルなのだそうだ)。

また避妊については、カソリック教徒が全人口の70%以上を占めるため、避妊や家族計画に反対する考えも根強くあったが、最近ではカソリックの司教でさえ家族計画に理解を示す方も出てきている。

 

 

 

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