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そんな我々の熱心さにスタッフも快く応じてくれ、分娩台の上で記念撮影をする学生も現れる程の盛り上がりであった。

 

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Dimasalang health centerにて

 

DOH(Department of Health:フィリピン保健省)訪問

日本の厚生省にあたるのがこのDOHである。まず我々はForeign assistance coordination serviceの代表者Ms.Paulinoから質問形式でお話を伺った。財政面に関してはJICAが最大の援助団体であること、予算がアジア経済危機により15%カットされたこと、無医村対策に関しては医師に対して優遇措置を与えたり、医学校に助成金を出したりしていること、医療保健に関しては加入者が20%にも満たないこと、重点疾患は感染症(デング熱、麻疹、結核、マラリア、住血吸虫)、非感染症、初期小児疾患、栄養素欠乏であること等が話題に上った。

次にcommunicable disease control serviceへ移動し、まず代表のAbella医師からフィリピンにおけるハンセン病の歴史について説明を受けた。それによれば、1571年この場所にスペイン人がclinicを建設し、それがhospitalになった。しかし、世界の潮流と共に1906年隔離法が制定されて患者はCULION島等に強制収容されるようになり、社会差別も広まった。この法律は1964年まで続いた。その後、MDTが登場し、1989年にはフィリピン全土に導入された。

また、Villarama医師からは、現在展開中であるNational leprosy control programについて説明を受けた。患者を早期発見してMDTを行い、98年までにnationalの有病率を1/1万以下に、2000年までにsubnationalの有病率を1/1万以下にすることを目標としており、前者に関しては達成されたということである。

 

 

 

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