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e. 事業内容:

環・円海山エコミュージアムは、円海山地域で展開する市民団体や地域コミュニティを、行政領域を越えて相互に結びつける「都市型」のネットワーク形成を目指している。円海山地域には、緑地の自然、古代・中世の街道、たたら文化、民間信仰などの歴史・民俗・産業遺産があり、昭和初期まで「円海山緑地文化圏」が形成されていた。また、現在は円海山緑地から流れ出す小河川の流域を中心にさまざまなテーマで活動する市民グループが多数存在する地域である。こうした背景をもとに、エコミュージアムの構築・企画を横濱金澤地域総合研究集団の中の地域文化生活圏プロジェクトが行い、また自然保全、都市農業、歴史資産の保護活用、商店街の活性化、教育、福祉などさまざまな立場の市民団体の相互ネットワークづくりといった活動・運営を円海山緑地ネットワークが行っている。

f. 課題:

課題としては、シンポジウムやイベント実施の土壌は形成されているが、日常的なネットワーク・システムは形成されていない。また、横濱金澤地域総合研究集団に所属している市職員はあくまで個人的な参加であるため、エコミュージアム構想も行政とのつながりがみられない。また、一般の人への知名度が低く、活動の周知徹底が必要。今後の方向性としては圏内に広がる市民団体を一つにまとめるのではなく、相互の連帯、調整が行われる日常的なネットワークの推進と、地域住民とのパートナーシップによる地域づくりをめざす。そしてそれらの目標を推進するための組織づくりを進め、行政とのつながりの強化を図る。

 

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図II-2-3 環・円海山文化圏マップ

横浜市(1997)「円海山・大丸山マップ」より抜粋

 

 

 

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