e. 事業内容:
朝日町の人びとの生活と、朝日町の自然と社会環境の発達過程を史的に探究し、自然および文化遺産を現地において保存し、育成し、展示することを通じて「エコミュージアム」理念を普及する。エコミュージアム運動を展開しながら、住民が楽しく生き生きと生活できる「楽しい生活環境観」の具現化および町の発展に寄与することを目的とし、具体的には町内に点在する自然、文化財、産業施設など17ヵ所をサテライトと位置づけ、各サテライトおよびサテライト間を結ぶ道に説明板、案内サインの設置を進めている。またエコミュージアムの企画、運営は民間組織である「朝日町エコミュージアム研究会」と行政、シンクタンクとして「朝日町エコミュージアム研究機構」によって進められている。
エコミュージアムを展開するにあたり、1992年に「国際エコミュージアム・シンポジウム」を、1995年には「エコミュージアム国際会議」をそれぞれ開催した。また、町内54部落単位のサテライトに焦点をあてたシンポジウムを現在までに4回実施している。
広報の手法としては、主にミニコミ紙を中心に展開している。
f. 課題:
コア施設となる生涯学習センターの建設と、その施設のエコミュージアム理念に基づく管理、運営の実施や、エコミュージアムという名称だけでなく、その内容も含めたエコミュージアム事業の地域住民への周知徹底が課題である。今後は、エコミュージアムの管理運営に関し行政とエコミュージアム研究会それぞれの事業展開を整理し、整合性のある機関としてNPO団体の「エコミュージアム協会」を立ち上げる予定。そのなかに位置づけられるサテライト案内事業におけるサテライトの案内人の養成は現在開始されており、実際に活動が始まっている。
3]環・円海山エコミュージアム
a. 事業名:
「環・円海山エコミュージアム」
b. 事業主体:
横濱金澤地域総合研究集団(略称キャッツ)、円海山緑地ネットワーク。
c. 対象地域:
環・円海山緑地の丘陵とその周辺約10?q圏内の地域(図II-2-3)。
行政区では神奈川県横浜市、鎌倉市、横須賀市、逗子市の4市。
d. 事業の経緯:
地域コミュニティとテーマコミュニティを結びつけることを目的とした学生、企業、住民、市職員から構成される地域シンクタンク型NPOの『横濱金澤地域総合研究集団(キャッツ)』が発足。
1996年には『円海山緑地ネットワーク』が発足し活動開始。1998年に横浜市都市計画局開催の「都市財政フォーラム」の中で、横浜と金沢と鎌倉の市民団体と行政が一つの分科会を持ち、これを契機に同年11月8日に『環・円海山エコミュージアム・シンポジウム』を開催し、エコミュージアム事業の開始となる。