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c)5T未満の海難隻数比率は、合計で59.4%、各種類別では30〜88%を示している。

d)各トン数を通じて、機関故障、浸水、転覆、推進器故障、舵故障、その他の海難種類別で、漁船の占める比率が低い。このことは漁船は海の恐ろしさをよく知っており、日常のメンテナンスに留意しているが、他の船種(プレジャー・ボートとは決付けられないが)のメンテナンスの悪さが伺われる。

e)爆発は500T未満計67%、そのうちの50%は漁船、20T未満の計33.3%、そのうちの100%が漁船(5T未満の計が33.3%、そのうちの100%が漁船の集計がそのまま20T未満に反映されている)

f)火災は500T未満の計90.6%、そのうちの62.9%が漁船、20T未満の計68.2%、そのうちの65.8%が漁船、5T未満の計は29.9%、そのうちの75%が漁船。

e)、f)より、火災、爆発に占める漁船の比率が大きいことが目立つ。

g)行方不明は20T未満で計100%、5T未満で計67%、そのうちのいずれも100%が漁船。

 

4.2. 要救助船のトン数別、距岸距離別比率;

 

表8にトン数別、距岸距離別の比率を示した。

 

表8. 要救助(自力入港船を除く)海難発生地点距岸別、トン数別状況

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[注](1)文献3)より作った。

(2)計の%は合計に対する比率。

(3)トン数別の%は発生地点別計に対する比率。

(4)漁船の%は該当カテゴリー船に対する比率。

 

a)5T未満の船舶で合計61.5%(37.3%)、「港内」20.2%(25.7%)、「3SM以下」33.9%(40.8%)、「3〜12SM」6.4%(52.6%)、「12〜50SM」0.9%(57.1%)。「50〜100SM」0%(0%)、「100〜200SM」0.07%(0%)、「200SM以上」0%(0%)。[%は合計に対する隻数比率、( )内はそのトン数、その距岸距離に対する漁船の比率]

距岸距離が大きくなると漁船の比率が大きくなる傾向を示している。

b)5T未満の船舶で「港内」に於ける海難で漁船以外の船が圧倒的に多いのはプレジャーボート等の影響であろう。

c)5T〜20Tの船舶でも同様の傾向を示しているが、12〜50SM以上の距岸距離では漁船の比率が圧倒的に大きくなる。

 

 

 

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