日本財団 図書館


10. 開口隅部の応力集中

 

1. 応力集中係数

小型船、特に漁船では機関室開口や魚倉の大型ハッチの隅部等の応力の集中し易い箇所への配慮が十分でないように見受けられる。平均応力レベルが低い時は損傷に至らぬかもしれないが、予期せぬ波浪衝撃等により致命的損傷を招く恐れがあるので、十分な配慮が必要である。

開口隅部での最大応力は開口隅部のr止りから15〜30°内側に入った点に生じ、その応力集中係数は主として隅部の半径rと開口幅bとの比により決まる。

応力集中係数K=σmax0

隅部の形状が円弧状の場合の応力集中係数の計算式を下図に示す。隅部形状が楕円形状の場合はこれより係数は小さくなる。

 

2. 応力集中と構造様式との関係

1)隅部の二重張り又は厚板挿入は応力集中係数値の減少には殆ど効果はない。

2)倉口緑材の形状寸法も応力集中には余り影響しない。

3)隅部の形状寸法は応力集中に最も敏感に影響を与える。

 

3. 実船実績値

015-1.gif

k値は極力3以下に抑えたい。下図にb、rとk値の変化を示す。

 

甲板口周辺の応力集中

015-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION