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次に、この様な状態での特設肋板の曲げ応力を求める。

一端固定、他端支持の梁に等分布荷重が加わると共に、支持端にモーメントが作用する場合の曲げモーメントは右図(a)及び(b)を合わせたものとなる。固定端Bの曲げモーメントMBT

 

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以上から判る様に、トランスリング構造に於いて、特設肋板に較べて特設横置肋骨の寸法が小さい場合には、

1)特設肋板は中心線縦桁とチャイン部で固定された梁として取り扱うのは不適当で、中心線縦桁で固定、チャイン部で支持とするのが妥当であり、この様な場合本計算例では特設肋板の曲げ応力値は材料の耐力の約1.5倍になる。

2)特設横置肋骨は特設肋板の曲げによるチャイン部の回転に基づく端部モーメントにより曲げ応力を生ずるが、本肋骨の曲げ剛性が小さいため応力値そのものは大きくない。

3)以上より、トランスリング構造においても各構成部材の剛性のバランスを良く考慮して設計することが重要である。

 

(高速船構造基準での「固定」の定義)

固定とは、当該桁部材に隣接する桁部材の寸法(断面積、断面係数及び断面二次モーメント)が当該部材の寸法よりも大きな場合をいう。また、当該部材の寸法が隣接する桁部材の寸法よりも大きな場合には支持としなければならない。

端部境界条件が、固定と支持の中間にある場合には、それぞれの条件により定まる値の厳しい方の値を使用する事。

 

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