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7. おわりに

 

これで「図面ありき」、つまり従来の作画現図レベルと同じように設計図があって…を前提としての数値現図の現状を、一通り解説してみた。

現図の数値化が、現図工程自身の改革に止どまらず、それ以上に現図以降の工程の、これまでの方法ではできなかった:−

●造船工作法の技術革新、

●全般的な精度の向上、

●現図うっかりミスの排除による誤作の減少、

…に役立ってきた理由を、いくらかでも理解していただけたであろうか。

 

おわりに関連する事項の紹介を加えておく。

 

7.1 自動化と数値現図

数値現図は多くの造船自動化の端緒となっており、これからも幅広い発展が予想されている。それゆえに数値現図の知識と理解は、これからの造船技術全般の基盤であると言えよう。

 

特に、数値現図の延長に位置するNC切断の採用は、これまでの生産技術の検討がカッティング・プランという作業レベルの計画までであり、その先にカッティング・シーケンス・エンジニアリングという動作レベルの検討が残されていることを悟らせた。

この意義は、さきにNCシステムの内容で見てきた通りである。

この「シーケンス」とは、一般に機械加工での順序と条件及び位置をいい、カッターパスに付随するトーチ・オン/オフなどの作動を含んだ意味である。

 

7.1.1 NCとロボット

これからの造船の自動化といえば、やはり産業用ロボット技術の応用であろう。

産業用ロボットの基本形態は、マニュピレータ: 多関節の腕状機構で、

●マニュアル:常時リモコン操作で動作するタイプ、別名:リモート・ハンド

●固定/可変シーケンス:あらかじめ設定されたシーケンスに従って動作の各段階を逐次進めていくタイプ、設定情報の変更が「困難な場合を→固定」「容易なものを→可変」と区分

●プレイバック:マニュアル操作して上記可変シーケンスをティーチイン:教示し、その教示記憶通り動作を繰返すタイプ、「プレイバック」とはティーチング・プレイバック:Teaching play-back(教示による反復)の短縮語

●NC:上記プレイバックのティーチインの代わりに、NC指令で与えるタイプ

●知能:感覚や認識の機能を持ち、自律的に行動決定のできるタイプ

…の区分名称がある。

 

 

 

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