ネスティングと部品データの関係は既に説明したが、フロー図の[カッターパス・システム]の左に控えた[切断手順]ファイルには、オペレーション手順のみが参照されるようになっており、いつもシステム操作のつど、アップデートされている部品データを取り込んでいる。こうして最終的に切断経路が発生するまで、上位のCADシステムに修正があれば即反映されるわけで、連絡漏れによる誤作が防止されるのである。
数値現図での作業区分として、部品データ作成までが一次現図:内容的にCAD一品図の範囲なので設計所掌がとなり、以降のNC作業準備は二次現図:自動加工のCAMなので、工場現場の扱いとなってくる…ことは、まえにも説明した。またネットワークで連携できるので、一次と二次が近くの場所での作業とはならなくなってくる。
この状況の中で、常時最新データが使えるシステムフローの持つ意義は大きい。
カッターパス・システム作業の結果で発生した、適用NC機タイプ別での切断経路は、処理の板名称をインデックスに[切断情報・パスデータ]ファイルに蓄えられる。
このパスデータによるNC機の動作シュミレーションが、画面上で行えるようになっており、NCデータと機械の作動が確認できる。
カッターパス・システムで参照するデフォルトは:−
*円弧/直線切込み:ランニングカット寸法(定常切断に入る助走距離)
*ブリッジ必要孔サイズ(切断サナ枠からの転回防止)
*ブリッジサイズ(孔/外周切断時)
*開先切断可能範囲(トーチ角度の制約)
*外周切断方向(時計回り:CW/反時計回り:CCW、トーチ回転の選択)
*マーキンカット(トナーを切断線より控える寸法)
…などの項目で、[切断手順]ファイルに設定している。
6.3.3 ポスト
[ポストプロセッサ]の名の通り、[切断手順・パスデータ]を呼び出し、NCフォマット・コードへの変換を[切断条件・コード変換]テーブルを参照して、自動的に行うNCデータ作成プログラムであり、入力操作はインデックスの板名称や「NCオペレータプラン」出力指示だけである。
参照ファイルの「切断条件」とは、切断機メーカーが提供する:−
●マーキンノズルのシフト量(切断トーチからのオフセット値)
●(プラズマ流による切断ベベルの逆を取る)トーチ角度
●板厚別切断速度
…で、電流値などのデータはNC機体側のROM:呼出しメモリーに書き込まれている。