(1) 入力ファイル
*共通I/Fファイル:−
外板システムは作画/切断図形データを、ロンジ・フレームシステムは捩れ型データを…ここに落とし込む。現図諸寸法プログラムのところで触れた[図2.5.2 吃水文字]作成プログラムも、ここで繋いで文字型の作画や切断に持ち込んでいる。
*モデルファイル:−
モデルとは、はじめに…の章で使ったように、コンピュータの中にデータ化された対象製品:橋桁なら橋梁外形線図を意味する。本書で言う基本データファイルのことである。
システム用語は、字面に囚われず概念で捉えると理解しやすい。
ここで用語について断っておきたい。
このCAD技術分野は、まだまだ多面的に発展中であり、用語もニュアンスを変えながら多様化してきている。そこで本書では通用している同義語/類義語を敢て統一せず、注釈を入れながら、そのまま使うことにしている。
(2) 出力ファイル
I/Lファイル→一品寸法図、 C/Lファイル→ N/Cシステム…についてはすでに触れた。このファイルで、対象鉄工製品モデル毎の専用出力に対応する。
このシステムは、造船所の多角化に共通して使えるのである。
本章では、この一品CADの船殻内構部品への適用を説明する。
5.1 施工基準
フェアリングの章で、ハード/ソフトの構成で述べているように、数値現図では内構部品の処理が、部品数の多さもあって、数値現図全体の工数の70%以上になる。
これを削減するには、部品形状や施工記号などの標準化を推進するのが有効である。
5.1.1 標準マクロの登録
部品定義をするのに、スロット形状や小骨端部の形状など標準マクロとして呼び出すことによって、形状の詳細寸法を一つ一つ入力する手間が省略できる。
マクロとして登録するものには、概略次の種類がある。
(1) スロット形状/これに対応するカラープレート形状
(2) ドレンホール・セレーション形状
(3) マンホール形状
(4) スカラップ類