5. 内構システム
内構とは内部構造の短縮呼称で、内構システムは、これまで説明した曲り外板/フレーム以外のすべての部品を処理する。
いや曲り外板でも展開後は、このシステムを介して型作画をしたり、NC切断システムに繋いでいるし、曲りフレームも、板から曲り形状を切り出すビルトアップであれば、内構として処理されるから、結果として、ほぼ、そうなっている…とするのが正確な捉え方かもしれない。本質は、形状を定義すれば数値化する図形処理の機能で、板から部品を切り出す製罐や橋梁にも適用できるシステムなのである。
コンピュータでの形状定義は、本書のはじめに触れたように、初期は図形処理の専用言語で記述していたものが、現在は画面上で図形要素を選択しながら、対話的に行なえるようになり、コンピュータが作図/描画を支援してくれる意味でCAD:Computer Aided Design/Draftingと呼ばれるようになった。
内構システムも、その意味ではCADであり、本書で説明事例とする"あじさいPC"でも、このサブシステムは汎用を標榜して「一品CAD」と名付けられている。
もっとも、図形を線描するだけの一般CADは、あくまで図面表現向きであり、そのまま板金展開処理に応用できるのは板厚が無視できるブリキ板の類までで、「一品CAD」では、図形処理の機能が共通するだけである。
そして、一般CADの解説書は世上多くあるので、要すれば、そちらの参照を得ることにし、本書では、その共通部:例えば図形対話入力や図形計算プログラムなど一連の説明は省略する。
[図5.0.1 一品CAD構成]に、その一般的な姿を示す。