一方の"柔らかい/柔軟な"は、システムが単純で、任意の応用が利く…の形容とされるが、それだけに自動化のレベルは低く、システム操作者への負担が重たい。
同じ結果を出す機能でも、和文ワープロと漢字タイプライターに差があるようなものである。いずれにしても抽象的な"柔い/堅い"が、システムの不備の言い訳であってはならない。
この組立定盤設定での「入力選択」は、P-SHELLでは、[画面3.3.1 システムメニュー]の2「治具ファイル初期化及び入力」ステップで、まず「定盤面」は上記ブロック形状9代表点平均で一律に決め、要すれば定盤指定コード:−
そのまま流用:
1=デフォルト:入力省略
2=船底平面定盤:イニシャルトリム&デッドライズ=0
3=船側平面定盤:船体平行部&ウオールサイデッド
4=3点入力[図3.4.2 平板部基準定盤設定]
で修正する仕組みになっている。「デフォルト」とは、なにも入力しなければ、自ずとその値/符号となる一般的な入力規約をいい、システム操作に便利なものである。
定盤面の次の入力選択には、[図3.2.5 定点支持組立定盤]で見た船系/定盤系のような「格子方向」がある。オリジナルは、単板切直しで見透面を決めたように、ブロック首尾端バットの2等分位置:[図3.4.1 外板組立用治具の座標系]の1]〜3]、5]〜7]をバットとすれば2]-6]…を含む定盤鉛直面と、その面に直交し2]-6]間を2等分する面とを基準格子と一律に決めておき、要すれば格子指定コード:−
1=デフォルト:そのまま流用
2=シームベース:シームにほぼ平行、
上記[図… 定点支持組立定盤]定盤系に近い方向。
3=バットベース:バットにほぼ平行、
上記[図… 定点支持組立定盤]の船系に近い方向。
…で修正できる。通常の外板ブロックでは、コード1・2は類似だが、三角板を含むようなブロックではシームの走り方によって、かなりの差異が生じ、2が指定されている。3は船底立上がりブロックなど格子配置の都合から選ばれている。
これらの入力選択に見るように、大部分は精緻な論理で一律に自動化に追い込み、なおも零れる特例もカバーできるようにするのが、システム化の要諦であろう。
3.4.2 組立治具高さ計算と格子ピッチの設定
曲りブロック組立定点治具の高さは、治具定盤の平面からの距離を計算するが、治具格子の位置において切直しのモールドライン位置から、2種の補正:−
*板厚補正:外板の板厚の外面との高さ寸法差、傾斜なので「伸び」がでる。
*上端形状補正
:ピン治具なら支持端は球状で、格子点では外板に当たらない。
:FB治具なら支持端に面当りの切度が出る。
…を考慮しなければならない。