さて、切直しフレームでの展開で、泣きどころといえば、バットなど首尾端の形状形成であろう。
別冊『現図展開』のクルーザースターン外板展開で説明したように、正規フレーム展開ならバット線は正面線図に実形が見えており、スペースの狭いフレーム線と見做して扱えるが、それに比べて、切直し正面線図にはバットは投影として現れるから、そのまま展開には使えない。
では、一般的な解を、どう求めるか。
[図3.3.3 外板形状切り抜き]で模式的に、そのアイデアを示す。
外板形状が含まれる図の○印四辺形の範囲:上下シームの代わりに最寄りのW.L、首尾バットの代わり最寄りの切直しフレーム…の外形を、切直し正面線図で測地線展開して、その展開面から外板形状を「切り抜く」のである。
この切り抜き方式展開とすれば、首尾端によくある三角板や異形の特殊外板も展開できる。アウトプット例は、別冊『原寸型・定規』に採録してある。もし外板外の切直しフレームがなければ、フェアーな延長で仮に設ければよい。
このように処理した「外板展開及び曲げ型作成」の結果は、[画面3.3.4 外板管理量]として表示し、ブロック単位にまとめて[表3.3.1 外板管理量]のように出力されている。
ここで:−
●幅×長さ: 所用鋼材の寸法
●重量:部材としての純外板重量
●縦曲り量:外板面見透線の弦弧間曲り寸法、内面凹が(+)逆反り(-)
●横曲り量:切り直し中央フレーム線の弦弧間曲り寸法、内面凹が(+)逆反り(-)
●捩れ:最首尾端切直しフレームの弦相互の捩じれ角、
●補正(F)(A):最首尾端切直しフレームのバックセット補正量
これらの数値は、材料発注の資料や加工管理の参考として使われる。