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2.4.1 ランディング・システム

設計におけるランディングは、構造の粗筋を決める重要な作業で、ブロック分割/材料寸法制限/ロンジの走らせ方/開孔等の高応力部厚板範囲/曲げ加工配慮…など機能と生産の両面からの重層した判断を必要とするが、現図におけるランディングは、その設計の結果を読解して、基本データに変換するだけの作業である。その変換ツール: 道具のソフトウェアを、「ランディング・システム」と称する。

 

ランディングの種類は、外板ランディングと内構ランディングに分かれる。

 

外板ランディングは、これまでの作画現図と同じで、構造用正面線図や外板展開図などの図面をもとにして、フェアリング計算したフレーム線データの表示画面上で、ブロック・バット位置の割り込み、外板シーム線、ロンジ・フレーム線を入力して、このシステムで、各フレームやブロック・バットとの交点計算を行う。

 

内構ランディングとは、外板の接地縁:ランディング・エッジと言う語源の拡張使用であるが、外板以外の甲板/隔壁などの構造面に、鋼材配置図などの船殻構造図をもとに、外板と同じように構造配置線の計算を行うことを指す。

通常、格子枠に組まれた板骨構造面を総称して「パネル」と呼ぶが、その言葉を使えば、二重底トップパネル、デッキパネル、フラットパネルなどのバット割り込み、シームやロンジの配置線の定義を行うのが、内構ランディングである。

 

こうして外板/内構を問わず、曲面/平面を問わず、すべての船殻パネル上に構造配置線を数値データ群として、算出設定するのである。

 

外板ランディングでは、木造船の板張り方式の延長で、従来は外板展開形状が矩形で、その展開基線が該当の外板の中に収まり易くするために、シーム線を出来るだけフレーム線と直交するように決定していた。

だが、やがて外板展開の数値処理が進展し、後述するように自在に切り直しフレームラインを設定するようになるにつれて、ブロックシーム線も搭載位置決めに容易な水平シームが採用され、これに伴いブロック内シームも次頁[図2.4.1 水平ランディング例]に見るように、ほぼ水平になってきた。ビルジ立上がり板などは、展開形状は平行四辺形状になるので長い素材が必要になるが、同一類の曲面に集約できて曲げ加工枚数が減る効果がある。

切直し/ビルジ展開については、別冊『現図展開』に詳しい。

 

 

 

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