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[図2.1.23 船体曲面モデル]に見るように3次元断面線によるワイヤフレームモデル:線モデルは、パッチで綴られたサーフェスモデル:面モデルとなる。

 

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図2.1.23 船体曲面モデル

 

水槽試験用のモデルをNCで削り出そうとすれば、切削面に当たる回転カッターの軸は曲面の法線となるから、[図2.1.24 NC曲面切削]のように、工具交換機能付きの多軸構成となり、その制御には面データを持つ数値モデルを必要とする。単に3次元座標データだけでは点移動の線しか削れず、細かく補間しても段々畑の形状は残る。

なお、数値モデル化には、さらにソリッドモデル: 立体モデルがあるが、造船では使われない。線には太さがなく、面には厚さがなく、立体には中身が詰まっている表現であるが、配管線には管種を、殻構造面には板厚を属性データとすれば、十全なモデル化ができるからである。

 

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図2.1.24 NC曲面切削

 

面を張る方式のパソコン・フェアリングシステムは、いくつか既に実用されているが、使われ方が、設計は線×現図は面とか、設計は面×現図は線…のように、木と竹を接ぐ場合に不具合があるように聞く。そもそもの機能内容に、又は運用操作に問題があるのか…実情は詳らかではない。再現に使うバッテンが異なるから当然…とも推察される。やはり線での計画図には、同じく線でのフェアリングで一貫するのが、適当ではなかろうか。

 

線/面いずれにしても、計画と現図計算とが同じ数値バッテンのシステムで行われれば解消するはずで、そうならば、設計工程を分けることなく初期段階と仕上げ段階とを連続させて[計画=現図]の運用としたい。

本件はまた末尾の章で、全体のシステム運用の所掌として触れることにする。

 

 

 

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