*NC処理: −
一品データからNC切断機への指令を作成するまでのシステムである。
数値現図の後処理: ポストプロセッサともいう。
素材への部材填め込み: ネスティングと切断経路: カッターパスの指示を機械の駆動指令: NCコードに翻訳するのが、その機能である。
数値現図の生産自動化への利用の一種であり、従来の現図工程の範囲を越えるので、二次現図として現場所掌とされるが、本書では広義の数値現図の範囲として解説を加えることとする。
1.2.4 システム導入の留意事項
小規模造船所では、敢えて全範囲を一挙に導入せず、手に合うとこから、コスト・パフォーマンス: 価格/効率比の高いところから、順次取り込むのがよい。
例えば: −
●フェアリングを使う機会は少ないし、システム操作に慣れるには時日を要するから、アウトソーシング: 社外委託として導入範囲から除外しよう、
●現行では精度の悪い曲り外板の処理システムから導入して、生産効率を上げよう、
●これからロンジ・システム構造に切り換えるので、捩じれなしランディングとフレーム処理から先ず導入しょう、
…などなどが考えられる。
ただし中・長期計画の視点から判断することが重要である。
システムの将来、3D: 三次元システムなどについては、末尾の章で述べるが、システムの操作や運用が発展するのであって、こと一品データの内容や品質においては、なんら変わるものではない。
*現図システムとしての機能
システムの吟味において、これは絶対である。倣い開先の自動処理とか、正規フレーム位置にない構造や特殊展開が処理可能かとか…根掘り葉堀り十分にこだわって事前に解明しておくことである。
別冊『現図展開』『原寸型・定規』の内容は、その目的にも役立つので、チェック項目に利用するとよい。
*ハードウェアの構成
すでにパソコン単独のシステムで十分である。造船所手持ちの既存の機種が使えるかもしれないし、今や普及機ですむはずで、[図1.2.2 コンピュータ・システム]に示すパソコンの内容: OSの種類/メモリーの大きさ…を確認するとよい。図で「応用システム」とあるのが、数値現図の各サブ・システムに相当する。