資料II
◆新分野開拓を大学と行い、特許等を有している事例
縫製業界をめぐる環境は、年々厳しさを増している。このような状況を見越し、B社(愛媛県、従業者数34名)は愛媛大学と連携し新分野の開拓を進めた。特に、開発途上国には製造技術が無く、大企業では採算の合わない製品に的を絞り、研究開発を積極的に行った結果、特殊環境作業服の開発に成功した。
当社は、高級婦人服の製造メーカーであるが、約10年前から、それと平行して、愛媛県等の研究開発補助金を得て、大学、公設試験研究機関の協力により、新機能繊維を素材として高熱から極寒までの特殊環境作業服の製品開発に成功し、販売高の20%を占めている。国内で当社しか製造していない耐熱服、遮熱シート等数点の特許品を有している。(平成9年度中小企業白書)
◆外部経営資源の活用により新規性の高い事業を行う中小企業の事例
C社(京都府、従業者数3人)はシルクトップ(繭の製糸段階でできるくずわた)を利用した絹紙、絹不織布、絹フィルムの開発・製造・販売を行っている。和装の需要低迷を打破しようと、大学の研究室や染織試験場に足を運ぶうちシルクトップに偶然出会ったことが事業化のきっかけとなっている。従来シルクトップは糸にするには細すぎ、黄色いうえに、生糸の低価格化が進み、肥料以外殆ど利用価値がなかったが、農林水産省の養蚕試験場や、大手不織布メーカー等の研究室に通うことにより製品化に成功した。
しかしながら、帯地や帯芯用は和装の需要低迷から大きな伸びは期待できないため、シルクトップの医療分野への展開について、大学の医学部の教授らと共同で取り組んでいる。現在、絹不織布は医療用のガーゼとして用途開発を進めており、絹ガーゼと同価格で柔らかく組織を傷付けない、通気性、吸湿性、放湿性に優れる、傷口に貼り付かない等の特徴があり、医療関係者から注目されている。また、農林水産省の蚕糸昆虫農業技術研究所との共同開発による絹フィルムは、絹の蛋白質で作った透明なフィルムで、人工皮膚として高い可能性を秘めていると考えられており、大学病院等で臨床試験が進んでいるところである。(平成9年度中小企業白書)