日本財団 図書館


資料II

 

◆下請企業同士の共同受注によりネットワークを築いている事例

金属機械部品製造業を営むT社(長野県、徒業者数17人)は、機械金属メーカー12社による協同組合の共同受注のための窓口会社となっており、大手企業からの大口受注を実現している。同社は、組合員各社へ公平に仕事を配分すると同時に、営業活動は一手に引き受け、また納期管理等の責任を持っており、ネットワーク実現の担い手となっている。このようなネットワークによって各企業に大きなメリットが生じているが、具体的には1]一企業ではまず受注できない大手企業からのユニット受注を異業種企業の連携という共同の力により実現できたこと、2]営業活動が不要であるため、その分の固定費が低く済むこと、3]受注が安定し「設備投資の計画・実行がやりやすいこと等が挙げられている。同社には参加企業との間でどのように利益配分をしていくか、親企業からコスト削減要求があった場合にはどのように負担していくか、といった調整能力が求められているが、お互いの役割分担や協力関係の必要性を認識しつつ、話し合いによる解決に努める方針である。また、同社を中心に技術高度化への共同研究開発にも取り組んでおり、今後、取引先からの様々な要求に対応していく考えである。(平成8年度中小企業白書)

 

◆異業種交流会を通して自社の新たな企業特性を発掘した企業

ラベル・シート印刷、電子部品用製版などの特殊印刷業を営むE社(宮崎県、従業者数43人)では、異業種交流会において、他の参加メンバーから、自社においてはそれほど高度ではないと認識していた自社の技術力を高く評価されるとともに、同社のシール印刷技術と他社のラジオ波を利用した識別技術とを組み合わせることによって新たな電波誘導技術の開発の可能性を示唆され、共同研究を行うこととなった。その後、共同研究の成果としては、食堂での自動決済システムの製品化という形で出ているとともに、共同研究で培った技術を応用し、同社の視覚障害者用補助システムの開発という新規分野への参入という形でも出ている。(平成9年度中小企業白書)

 

◆開発テーマごとに分科会を作り成果をあげている異業種交流グループの事例

平成2年に結成されたB異業種交流グループ(東京都、加入企業数20社)は、開発テーマごとに分科会を作り、共同研究開発に取り組んでいる。グループ結成当初は、メンバー全体で話し合って開発テーマを決めていたが、意見の統一が図りづらく、費用や利益の配分の問題もあるため、分科会を作ることにした。各自が、関心のあるテーマ、開発したいが自社単独では難しいというテーマを持ち寄り、それに賛同する企業だけで分科会を作っている。この方式により、これまで数々の新製品開発に成功した。また、交流を通じて、各メンバーの事業内容がよく分かっているために、加工の依頼や仕事の斡旋等もメンバーの間で行われるようになってきている。メンバーは異業種交流グループが結成されるまで全くつながりはなかったが、グループのネットワークにより、互いの経営資源を補完しつつ、メンバー全体の経営の向上に結びつけている。(平成10年度中小企業白書)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION