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4. 受注に向けての活動

長い間漁船造修に主力をおいて経営してきた管内の中小造船事業者は、漁業就業者とのつながりによる漁船の造修だけでもある程度安定した経営が可能であったため、営業活動にはあまり注力する必要がなく、その結果多くの事業者において営業力は脆弱である。また、零細事業者が多いことから、業界の体質として漁船建造受注があった場合はそれを優先するために、継続的な営業活動体制が取れない場合が多いことにも起因している。

しかし、主要需要先であった水産業界の漁業不振、減船など取り巻く環境は大きく変化し、「パイの減少」による競争の激化から管内事業者は厳しい経営状況に追い込まれている。

こうした状況の下、現状の体制では今後の継続・発展的な経営の展開に限界が生じているのは明らかである。前述したような新規事業分野への進出を成功させるためには、営業力の強化は喫緊の課題となっており、中・長期的視野に立って継続的かつ積極的な営業活動、情報収集活動を可能とすべく相応の経営資源を投入する姿勢が望まれている。

 

4-1 営業担当者の配置

管内造船事業者の多くが家内工業的零細経営であり、専任の営業担当者の配置は事実上困難な場合が多いが、それでも社長をはじめとする経営者の営業活動は最低限必要であり、今までの受動的受注体制からの脱却を図らなければならない。

 

4-2 異業種との継続的な協力関係の構築

管内造船事業者においては、防水工事等を中心に建設事業者との連携を図っている事例も見受けられるが、陸上製品分野とのパイプの構築とともに、その関係を絶やさない継続的営業活動のスタンスが必要である。

第II章で触れているが、防水工事等建設関連分野においては、ほとんどの場合下請け工事となり、地元工務店への営業活動に注力することにより受注パイプを形成し経常的に発注依頼が入るような経営努力が必要である。また、多くの地元ゼネコンは「協力会」(下請企業の会)組織を形成しているのが一般的であり、その組織に参加していくことや、材料業者等団体との定期的な情報交換会・懇談会等の開催も受注機会を増やしていくには必要であろう。

 

4-3 公的機関のビジネス・マッチング機能の活用

各県の外郭団体である「県企業振興公社」(県により組織統合等の関係で名称は異なる)等には、製造業の受発注斡旋の制度が設置されている。当制度の受発注企業としての登録は無料(同公社非会員でも可)であり、積極的に足を運んで活用すべきビジネス・マッチング機能であろう。

 

 

 

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