3. 新規事業分野参入にあたっての体制の整備(技術資源の蓄積)
新規事業分野へ参入していくためには、自らが持つ経営資源の中から自社の「強み」「売り」「事業領域」を明確にして、さらにその経営資源を強固なものへと発展させていかなければならない。管内中小造船・舶用工業の場合には「造船」の既存技術を基本としながら、新規事業分野参入に資する技術資源の蓄積に努めることが何よりも必要となろう。
3-1 大学、公的試験研究機関との連携
中小造船業界に限らず、中小企業の弱点とされているのは研究開発部門の未整備や専門技術スタッフの不在である。その弱点を補うために「学」や「官」との連携・共同により、その指導機能・コーディネート機能を利用するケースが増加してきている。
「図表III-3-1」は、大企業も含めた民間と大学等との共同研究の実施状況である。これに含まれる中小企業の割合は大企業に比較すればまだ低いものであろうが、潜在的には連携を希望する中小企業の割合は少なくない。
大学等のサイドからすると、特に近年「地域貢献」「地域活性化」に対していかに係われるか、その存在意義が問われているところでもあり、産学官連携等を進めるために現在多くの国立大学に「地域共同研究センター」が設置され、すでに積極的に情報発信等を行っている。
中小企業にとって、大学等は「敷居が高い」と考えられがちであるが、その多くは誤解であり、大学等の活用の有効性を認識している中小企業は、技術的な問題解決や技術資源の蓄積のために「学」を上手に活用している。