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4 E-mailによる公開文書の送信

 

(1) E-mail公開実施に伴う問題点

さて、公開請求が E-mailで行うことができても、公開の方法が旧来どおり役所事務室での閲覧ということであれば不完全といわざるを得ない。しかし、公開情報を E-mailで送信するには、その情報がデジタルであることが必要である。しかし、デジタル文書の情報公開における送信には次のような問題があった。

ア 橿原市では、行政文書は紙文書が原本であり、文書がパソコンやワープロによりデジタルで作成されているにしても、そのデジタル文書は紙文書と同じようには年度別階層別に組織的保存が行われていない。

イ デジタル文書には、手書き部分、押印や印紙などの情報が載らない。

ウ デジタル文書は、部分公開の場合に目隠しが困難である。

エ 他機関からの取得文書については、ほとんどがデジタル化されていない。

オ デジタル文書による公開では、請求者側に市が公開前に情報を改ざんしていてもわからないという疑いを持たれる可能性がある。

 

(2) 画像情報というアイデア

上記の問題を解決するために紆余曲折の末考え出した方法が、「公開対象文書を、写真を撮るようにそのままスキャナーにより読み込み、デジタルの画像情報に変換して送信する。」というものである。画像情報であれば、文書をそのまま写しとるので、部分公開時の目隠し文書であっても問題がなく、印影や手書き部分も写るので原本性も保証される。

公開対象の行政文書の原本を1枚1枚スキャニングし、主にGIF又はJPEGファイルに変換した上で、E-mailに添付し、送信するのである。

 

5 E-mail情報公開のメリット

 

(1) 請求者は、一度も来庁することなく、自宅や職場、学校等に居ながらにして、情報の公開を受けることができる。

 

(2) 請求の受付及び公開の実施は、役所の執務時間中に限られていたが、E-mailによる請求・公開は、時間帯を問わず行うことができる。

 

 

 

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