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一方で、情報提供のために情報通信技術を用いることは、広報紙などよりも最新情報を迅速に提供することが可能である。そのため、インターネットやパソコンを利用できない人のために、公共施設などにこれらの情報を検索できる環境を整備する必要がある。その際、高齢者や身体障害者などを考慮し、簡単な操作で利用者が使いやすい機器や情報システムの導入に努めることが肝要である。これらに加え、インターネットやケーブルテレビなどで情報公開をする場合には、そのアクセス費用の一部について公費で支援する体制を整えること、公立学校に整備されつつある情報教室などを活用し、当該地城に居住する有識者やシステム・エンジニアその他の専門家の協力を仰ぎ、授業のない日に施設を公開して市民のための無料授業やセミナーを実施することなどの方策も検討に値しよう。

 

3 組織的な情報コンテンツの作成

 

地方公共団体が、行政情報を住民へ提供していく上では、特定の行政機関(原課)だけが情報を提供していくのではなく、組織全体が組織的かつ合理的に、住民が必要とする情報を提供すべきである。しかし、すべての行政機関(原課)においてホームページや必要なコンテンツを作成するのに必要なスキルを持つ職員が在籍しているとは限らない。また、スキルを持つ職員が在籍していたとしても、日常業務を持ちながら組織の情報を提供するための作業を実施することは、特定の職員に負荷が掛かり、タイムリーな情報提供を行うことに支障をきたすこととなる。

そのため、電子的手段によって公開すべき情報の取捨選択、コンテンツの作成外注、そのための管財事務などを含め、行政組織の見直し・改善が必要である。そして、公開するコンテンツについて統一されたルールに基づく運用が可能となるように環境を整備する必要がある。これらの機能のうち、電子的手段によって公開されることが望ましいものとして取捨選択された情報について実際にコンテンツを生成し公開するプロセス、電子的手段によらないで公開される情報の所在情報とのりンクなどについては、プログラムによって自動的に実行され、その監査やセキュリティの維持も全自動又は半自動で実行できるようにシステム設計されていることが望ましい。

具体的には、全庁情報システムをベースにして、各行政機関(原課)が情報発信する情報を指定のサーバへ登録するだけで、自動的にコンテンツを生成し、当該地方公共団体のホームページの内容を登録・更新するようなシステムを構築することなどが考えられる。

 

 

 

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