この電子的な手段による文書管理システムに必要とされる機能は、以下の5点である。
ア 文書のライフサイクルへの対応
文書の発生から廃棄に至るまでの「文書のライフサイクル」に対応し、この一連のプロセスをシステムで全面的に管理することにより、文書の適切かつ正確な処理が可能となる。
イ 発生段階での登録による文書ごとの一件管理
文書が発生した段階で、その都度、管理に必要な属性情報などをシステムに登録することにより、庁内で発生した文書を統一されたルールに従い、適正に管理することが可能となる。
ウ リアルタイム処理
文書データベースに蓄積された文書情報は、ネットワークを通じたリアルタイム処理により、 常に最新の情報を利用者に提供することができる。これにより、利用者の情報共有が可能となるとともに、事務処理の迅速化が図れる。
エ ネットワークを活用した情報公開
文書データベースに蓄積された文書情報に対し、庁内LANやインターネットなどのネットワークを通じて、あらかじめ設定された範囲内で職員及び住民がアクセスできる仕組みを提供することにより、円滑な情報公開を支援する。
オ 文書情報の一元管理
文書が一元的に管理されていないことによる文書の紛失、流失や、行政事務の執行の非効率化などの回避を図るために、サーバ内の文書データベース以外への文書データの保存を禁止とし、文書情報の一元管理を図る。
(3) 文書管理手法の比較
紙文書のライフサイクルを管理するファイリング・システムと電子的な手段による文書管理システムについて、その特徴を表-2のとおり比較した。