イ 見読性
・ データの内容を必要に応じ肉眼で見読可能な状態に容易にできるよう保証すること
ウ 保存性
・ 保存期間内において復元可能な状態に保つことを保証すること
以上3点が確保されるように必要な対策を講じる必要がある。したがって、電子的な行政文書の保存期間の決定に際しては、保存方式・保存媒体の検討も含め、電子文書の特性に十分に留意する必要がある。詳細については、第3節2項に記述する。
(6) 文書の廃棄手続の明確化
保存期間を経過した行政文書は、事務室や書庫スべースの有効活用のためにも適宜廃棄する必要がある。しかし、文書の存在・不存在をめぐる争いを回避する意味からも、文書の廃棄は、組織的な文書管理サイクルに沿って所定の手続に従い的確に行う必要がある。文書の廃棄に当たって考慮すべき事項を以下に整理する。
・ 保存期間の満了後は、文書管理責任者などの決定を得た上で廃棄する
・ 保存文書を廃棄したときは、その旨を保存文書台帳などへの登記を行う手続を行う
・ 廃棄する文書のうち、他に内容を知られることにより支障を生ずると認められるものは、裁断、溶解、焼却その他適切な方法により廃棄する
・ 歴史的価値を有するものについては、その要否の判定の手続に従い、所定の保全を行う
(7) 文書管理体制の整備
情報公開制度は、行政における文書管理の適正化を促しており、「行政情報は住民との共有財産である」との観点から、文書管理体制の整備が重要となる。情報公開制度が有効に機能するためには、その前提として行政の保有する膨大な行政文書の中から、住民が求める情報を、的確かつ迅速に検索できる必要があり、そのためには、情報公開制度に対応した文書管理の仕組みの整備と、迅速に検索できる検索システムの構築が求められる。