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こうした様々な情報メディアによる送受信文書についても情報公開の具体的方法として文書管理規定上で制度的に明確化すべきである。

また、現在、自治省において構築が検討されている「総合行政ネットワーク」では、地方公共団体間や各省庁と地方公共団体間において、電子認証された電子文書の交換を行うことを目標としている。今後は、このような電子認証された電子文書を公文書として取り扱うよう要請されることとなるであろう。なお、総合行政ネットワークについては「第3章2節2項(4)行政情報化の進展」を参照されたい。

オ 文書管理規程の公表

情報公開制度が適切に運営され、住民に対する説明責任が全うされるためには、情報公開の対象となる行政文書が適正に作成・管理されるとともに、実施機関の行政文書の整理・保管・保存・廃棄に関する基準その他の文書管理についての事項を公表し、その実施義務を担保すべきである。現在、地方公共団体の情報公開条例において、行政文書の管理について何らかの規定を置いているところは必ずしも多くはないが、ある地方公共団体の情報公開条例では次のように規定している。

 

(公文書の適正な管理)

実施機関は、情報公開制度の適切かつ円滑な運用に資するため、公文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する基準その他の公文書の管理に関する必要な事項について定めを設け、これに基づき公文書を適正に管理しなければならない。

 

これは、次の公文書公開審査会の答申を受けて「公文書の適正な管理」について条文化したものである。

 

そもそもあるべき公文書がなかったり、所在が明確でない状態では、情報公開制度は機能しない。情報公開制度が適切に運営され、市民に対する説明責任が全うされるためには、その前提として、請求の対象となる公文書が適正に作成、管理されていることが必要である。そこで、条例に、実施機関は、公文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する基準その他の文書管理についての基本的事項を定め、公文書を適正に管理しなければならない旨の規定を設けることとする。

 

 

 

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