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(7) 施行までの準備事項

情報公開法が施行されるまでの期間に、国の各行政機関では以下に想定される準備を実施する必要がある。

・施行のための政令、施行通達等の制定、制度の周知広報等を行う

・各行政機関においては、審査基準、行政文書の管理などに関する定めの制定、行政文書の管理体制の整備、窓口の整備、職員への周知徹底など

更に、行政機関では、過去に作成又は取得した多種多様な文書が大量に保存されているが、これらは、必ずしも十分かつ合理的に整理されているとは言えない。文書の管理が不十分な状態で情報公開法が施行された場合、開示請求に係る行政文書の検索が困難となり、そのことに起因して情報公開法の制度趣旨を没却するような事態が発生するおそれもある。そのため、情報公開法の施行前に、開示請求に的確に対応することができるよう、行政文書が適正に管理されるようにしておくことが不可欠である。

 

(8) 個人情報の本人開示

情報公開法には、個人情報の本人開示を認める制度は盛り込まれていない。これは、本人開示の問題が、基本的には個人情報の保護に関する制度の中で解決すべき問題であるとともに、本人に開示すべき個人情報の範囲の在り方も、その中で専門的に検討すべき問題であるとの判断からであると思われる。すなわち、個人情報の本人開示は、個人の権利利益を保護するための制度の一つと考えられ、したがって、行政部門と民間部門を通ずる問題として、その保有機関による収集の制限、適正な管理等を含む個人情報保護の仕組みの中で検討されるべき問題である。しかし、国民からは医療、教育関係情報などを中心に本人開示を求める意見・要望も少なくなく、個人の権利利益保護の観点から、関係各省庁において、本人開示の問題について早急に専門的な検討を進め、その解決を図る必要があると指摘されている。

 

 

 

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