(2) 開示請求の対象
情報公開法の趣旨は、あるがままの行政運営に関する情報を国民に提供するものであることから、行政機関の保有する情報を処理・加工して国民に提供するのではなく、情報が一定の媒体に記録されたもの(文書)とすることとしている。
なお、文書の媒体の種類については、情報技術や通信システムなどの開発や進展を踏まえ、幅広く捉える必要があることから、紙を素材とする文書に限定せず、フィルム、磁気テープについて例示するとともに、その他の媒体、例えば磁気ディスク、光ディスクなどについても、各行政機関が使用していれば開示請求の対象文書となっている。
(3) 開示請求及び行政機関の処理手続
情報公開法第38条は、行政機関の長に対し、開示請求者への情報提供等の措置及び総務庁長官への総合案内所の整備を義務づけている。
開示請求に当たっては、開示請求者にとって利用し易いことと、行政機関の事務処理が適正かつ円滑に行われることの両面を兼ね備えた合理的な仕組みが求められる。特に、国民が、開示請求権制度を容易にかつ的確に利用できるようにするためには、制度の利用方法や行政文書の所在などに関する情報が十分に提供されていることが重要である。
具体的には、
・情報公開制度の内容や、開示請求書の記載方法、提出先その他の開示請求権制度の利用に関する相談及び情報提供に応ずる窓口を整備すること
・行政文書の特定に資する資料や事務の流れに関する資料を提供すること
などが挙げられる。
このことから、すべての行政機関について対応可能な総合的な案内相談窓口を中央や都道府県の一定区域ごとに開設するほか、各行政機関における窓口をも充実させることとしている。
なお、情報公開法は、基本的事項を法律で定め、細目的事項は政令で定めている。