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しかし、インターネット以後(AI)ホームページ(基本的にはHTMLで記述される)を素人でも作成できるような素地ができたこと、使い勝手のよいXML(eXtensible Markup Language)を平成10(1998)年にW3C(World Wide Web Consortium)が勧告として制定したことにより、SGML/XMLの利用がクローズアップされている。ただ、エンドユーザがオーサリングツールを使うとはいえ、すべての行政文書をSGML/XMLで作成するにはまだ無理がある。

この問題に対して、先進的な地方公共団体では、既存のワープロ文書を、変換ツールを利用してSGML/XML文書にする方法が検討されている。しかし、現時点ではワープロ文書と変換後のSGML/XML文書が同一のものになるとは限らず、ズレや欠落が起きる可能性がある。それは、文書を作成する場合、ワープロの操作方法がすべて同じルールで作成しているわけではない。つまり、印刷したものは全く同じでも、例えばセンタリングするところを、スペースが入力されていたり、タブを使ったりと方法が統一されていないからである。しかし、将来の技術の進歩や運用の工夫次第では可能性が高いと予測している。

このように、地方公共団体における電子行政文書管理システムの利用を想定すると、グループウェアを利用した文書管理システムか統合文書管理システム(EDMS)の二つのいずれかになるであろう。どちらを取るかの選択は、地方公共団体の規模による。ただし、統合文書管理システム(EDMS)の方が履歴管理等、細かな設定が容易である。

 

3 総合文書管理システム

 

次に、電子行政文書管理システムを包括する、総合文書管理システムについて、図-3を利用して考察してみる。

このうち、回議・決裁システムがこれまで述べてきた電子行政文書処理システムであり、その下の文書管理システムは、SGML/XML化された文書によるシステムである(SGML/XML化される以前のシステムでは回議・決裁システムのデータベースが複写されたシステムとなる)。回議・決裁システムで利用される組織共用文書は、文書管理システムにチェックインされ保存される。また、回議・決裁システムで再利用が必要な文書は文書管理システムからチェックアウトして回議・決裁システムで閲覧する。

 

 

 

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