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(1) グループウェアのワークフロー機能

(2) SGML文書管理システムのワークフロー機能

(3) 統合パッケージシステム(ERP)のワークフロー機能

(4) 総合文書管理システム(EDMS)のワークフロー機能

このうち、(2)のSGML文書管理システム(Standard Generalized Markup Language)はCALSにおける文書管理等で文書管理の流れを設定するものであり、(3)は統合業務パッケージ(ERP: Enterprise Resource Planning)で提供されるプロセスを連結することで、業務プロセスの自動化を図るためのモジュールである。(4)の総合文書管理システム(EDMS: Enterprise Document Management System)は、文書に関する全組織的な基幹システムと理解するもので、その文書管理の流れを設定するものである。このうち、文書管理システムとしては、グループウェアを利用した文書管理システム、SGML文書管理システム、総合文書管理システム(EDMS)となる。しかし、SGML文書管理システムの日本での利用例は極めて少ない。この点については、次の議論で検討することにする。

次に、文書管理機能と文書作成支援機能に関連して議論を進める。行政文書管理システムの文書データベースで取り扱うファイルをどのような形式にするかということである。

クライアント側で文書を作成することや各種閲覧を行う場合、デファクト・スタンダード(事実上の標準)のソフトウェア(ワープロ等)を利用する方が利用者にとっては便利である。しかし、デファクト・スタンダードのファイルではバージョンアップや、デファクト・スタンダードの交替等でデータが陳腐化してしまうおそれがあることや、1ページ当たりのデータサイズの容量が大きいこと等の問題がある。このことからデジュール・スタンダード(公的な標準)であり、特定のシステムに依存しないSGMLによって標準化することが望ましい。

SGMLは、昭和42(1967)年にカナダ政府印刷局のWilliam Tunnicliffeが提案したのが始まりで、昭和44(1969)年にIBMのGoldfard、Mosher、LorieによりGML(Generalized Markup Language: 開発者のイニシャルでもある)が開発されたのち、昭和61(1986)年にISO 8879としてSGMLが標準化され、日本でも平成5(1993)年にJIS X4151として規格された。しかし、St.Laurentが「米国国税庁、米国国防総省、IBM等の巨大組織による意味深い利用を除くとその成果はほとんど見えない」(注6)と述べるように、SGMLが組織的な文書管理に適しているにかかわらず操作のわずらわしさから、先に述べたように、それほど利用されているわけではない。

 

 

 

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